apple 1
2025.02.03
 今回は、私の大好きなリンゴ生産者の文です。複数回に分けて掲載します。どうぞ…。
温暖化、温暖化と言われ続けてきたものの、 あまり気にせずりんご栽培を続けてきた。しかし、今振り返ると春先の霜の害や黒星病、10月11月になっても暑さが続き、雨が降り、そのため、すす班病、褐斑病が多発した。冬はしっかり雪が降り、温度も下がり春が来るのは遅い方が良い。また、10月になれば温度が下がり、雨が少ない方が良い。しかし、今日は逆にな り、冬は温度が上がり春が早く、りんごの芽が動き出すため霜に遭う。秋は温度が下がらず多雨となり、病気が多発する。寒い所で生まれたりんごとしては、温暖化は大敵なのだと思い知らされました。そんな条件の中でも我家のりんごは大豊作であった。何故なのかわからないが、周りの人からも「おまえのりんご、いいね!」と褒められる。今までない事なので本人もびっくりしている。師匠であるⓝさんにも「腕を上げたな!」と褒められ内心喜んでいたのだが、収穫してみると不揃いのりんごも多くあり、まだ胸を張れるものではないのも実感です。
 今年(2024年)の果物は、柿、みかんはカメムシの害、長野のりんごもカメムシの害があり、福島のりんごは温暖化のため夜温が下がらず、りんごが赤くならず半作と聞いた。青森も不作で3割減とのこと。そんな中、私の周りでもりんご作りをやめるという人が出始めている。りんごを作っても暮らせないからだと言う。原因はりんご作りが大変なだけではない。生産資材の値上がりと物流コストの値上がりである。りんごを作って売っても、経費を引くと手元に残らないのである。対策として私は、肥料はボカシを自分で作り、段ボールは直接段ボール工場に依頼し購入したり、出荷資材は安い店を探したりしている。また、送料を下げるため40年の付き合いのある運送会社に出来るだけ価格を安くしていただいている。しかし、それもいつまで続くか分からない。不安ばかりです。また、近所のスーパーでもりんご1ヶ200円する。柿、ぶどうも高い。くだものは買わないと人は言う。生活者の暮らしとして他に出費しなければならないものがあるのも事実です。だから、りんごを値上げするのは勇気がいる。今まで食べ続け支えて頂いた人に「もう耐えられません」と心が離れてしまったら、もう戻っていただけない。随分長い間支えて頂いたのに。でも、りんご作りが赤字続きでは我家がもたない、その分岐点にきている。
 つづく(2)へ
 Ⓚさんが若いころ、物流が整っていないので、ⓀさんやⓀさんの仲間たちが40年前に我が家にトラックで来ていたことを思い出す。これが産直の流れだと当会では感じている。幼いころ、Ⓚさんの家に連れられて、Ⓚさんの妻からいただいた。おにぎりを今でも思い出す。あの味、あの風景。そして、今の変わらないKさんの情熱。まさにパッション。フルーツじゃないよ。好きだけど(笑)。

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