アニマルウェルフェア(AWF)
2025.01.11
家畜福祉 アニマルウェルフェア(Animal Welfare,以下AW)は、家畜を苦痛やストレスの少ない環境で飼育し、病気や怪我を減らして健康に育てる畜産の方法です。日本では経済効率第一で多頭飼いの畜産を進めてきましたが、北海道では近年AWを取り入れる生産者が出てきました。当会の牛乳もその一つです。
動物福祉は世界の潮流にAWにおける最初の動きは1964年に書かれたイギリスのルース·ハリソンの著書『アニマル·マシーン(工場畜産)』からでした。命のある家畜を肉·乳·卵などの製造機械のようにしか扱わず、まるで工場のような畜産だと訴えたのです。イギリス国民の共感を得たAWの考え方は、1998年に欧州連合(EU)における「農用動物保護指令」の施行, 2005年からは国際組織である国際獣疫事務局(OIE)による世界家畜福祉基準の策定と大きく広がり、今やAW畜産は世界の潮流となっています。AW畜産の製品もEUはもとよりアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの市場で流通し、消費者は自由に買うことができます。一方日本では、AWに準じたガイドラインは作られているものの、生産者や消費者にほとんど知られていないのが現状です。家畜は経済動物であり、快適性より経済効率第一に進めてきた日本の畜産には受け入れがたいのかもしれません。
日本の畜産業の9割近くが経済効率優先の飼育です。人と同じように「24時間戦えますか?」(リゲイン)の宣伝のように畜産業の動物たちも24時間戦い続けていたのです。そのおかげで安価な食品を手に入れることができたというメリットはあったかもしれませんが、失うものもあったような気がします。

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