ダイレクト増量のハムや肉
2024.02.15
あらゆる材料の中で安いのは水です。水を食品に混ぜ込めば、文字通り「水増し」になりますね。そのいい例がハムです。ハムに「卵、大豆、牛乳」のアレルギー表示のあるのがあります。大豆や卵、牛乳が使われるのはおかしいですよね。大豆は、大豆から抽出された「大豆たんぱく」のことです。油と水を乳化して、固める性質があります。卵の白身の部分は火に入れると固まる性質があります。卵白から固まる成分だけを抽出します。これが「アルブミン」というたんぱく質です。牛乳は、牛乳に含まれる「カゼイン」というたんぱく質を化学処理したものが「カゼインNa」という添加物です。これらを調味液に溶かしこみ、さらに発色剤、コチニール色素、肉と肉との結着剤のポリリン酸塩、水あめ、ゼラチン等を溶かしこみ、生肉に注射し、よく揉んだ後、成型のチューブに入れ加熱すると肉に注射した水分が固まります。
この注入による増量・味付け方法は、ベーコン、焼豚、鮭、牛タンにも応用されています。いずれにも裏ラベルに「乳化剤」という表示、あるいは「乳、大豆」のアレルゲン表示があればこの方法が用いられていることになります。また同様の考え方で輸入の牛肉に直接牛脂を注入する方法があります。輸入の赤肉はパサパサしていますから、乳化させた牛脂を注射器で注入します(最近の輸入肉はおいしいかも笑)。1日置くと水は肉に入り、脂は肉のすき間に残り、霜降り肉になるのです。生の小肉を添加物で結着し、大きな形にするのも増量といえます。現在、食品瞬間接着剤とも呼ばれる酵素(トランスグルタミナーゼ)がよく使われます。サイコロステーキ、ステーキ、ローストビーフ、トンカツなどがそうです。いずれも添加物なしでは作れません。自分で作れば、そんな添加物を入れる必要なしだし、そんな添加物を家族に食べさせたいとは思いませんよね。
生活者の会のハムやウインナーは、原材料表示を見ていただくとわかりますが、原料の豚、塩くらいで台所にある材料で作られています。ドイツで、昔からの作っているレシピを基本に、独自の配合を考え、試行錯誤して商品化しています。原料の豚も、私と同じ世代の若者(中年(笑))が育ています。一度、ご注文ください。
コロナが明けて、仕事が忙しくなり、いいことなのか仕事嫌いの私には微妙です。しかし、この状況をいつも楽しむ性格を糧に乗り切ろうと、最近、思っています(笑)。

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